M&Aの交渉を進める際、自社が売り手側のアドバイザー、買い手には買い手のアドバイザーがついて進めるケースがあります。そんなケースでアドバイザーとして進める場合、気をつけなければならないことがあります。
M&A最終契約目前での失敗事例 初期のヒアリングが重要な理由とは?
1.オーナーの家族の反対
これが一番アルアルです!!
例えば、オーナーが90%、オーナーのお母様が10%、対象会社の株式を所有していたとします。中小零細企業の事業継承の場合、買い手候補は株式100%を取得したいと考えるため、オーナーのお母様の同意が不可欠になります。
水面下で交渉を進めていたにも関わらず(お母様は了承してくれるだろう、と思い込んで)、最終局面で話してみたら大反対、そんな事が起きてしまうのです。オーナーのお父様が創業者である、創業者は他界してしまっている、そんな状況でよく起きる事例かと思います。
2.顧問税理士の反対
これもアルアルです。
顧問税理士である以上、クライアントにアドバイスを求められた場合、アドバイスをせざるを得ないのが顧問の宿命です。例え、相談領域が自身の専門分野でない場合も、です。
その様な境遇でアドバイスを求められた場合、どの様な反応をするでしょうか?M&Aに知見のない先生方は、何かしらの理由をつけて反対します。
【反対する絶対的な理由】
・顧問という立場上、譲渡後も関与を続ける事になるので、「あの時顧問が賛成してくれたから進めたのに...」と言われかねないため
・かといって、その道の専門知識・知見を学ぶ時間や機会を設けるほどの時間はないため
これはM&Aアドバイザーに限らず、各種営業担当者が苦しめられている問題ではないでしょうか(保険契約間近で、契約をブレイクされる保険担当者を何人見てきたことか...)。
これは、その方が顧問であり続ける以上、避けられないのです。
※税理士の先生全員ではなく、あくまでM&Aに知見のない先生を指してます
3.アドバイザーが気をつけること
上記を踏まえ、アドバイザーが気をつけるべきことをご紹介します。
交渉初期に、しっかりとヒアリングを行い、真の決裁権者を確認する
これに尽きると思います。これが交渉後半に判明してしまうと、とても厳しい状況になります。
交渉の相手方にしてみると、すっかりその気になって交渉の条件を詰めたのにも関わらず、第三者の反対により辞退する事につながるため、信頼をなくす事につながる事でしょう。
これは、アドバイザーとしての信用失墜にもつながる事でしょう。「一体どんなヒアリングをしていたんだ」と。。。
ですので、初期段階で真の決裁権者を確認し、初期の段階で交渉を進める事に問題がないか、問題になりそうな点はないか、初期の段階で把握しておきましょう。初期の段階で把握する事が出来れば、その条件を土台に相手方に交渉を開始すれば良いのです(当初の条件を、最後に覆すのは至難の技です)。
・オーナーの家族
・顧問◯◯士(税理士など)
の反応はもちろんのこと、オーナーの性格上、重要な決断を下すときに頼りにする存在(占いや年回りなど)がないか、確認すると万全です。
以上です。
早々に案件化したいという思いから、初期の段階では重要な確認を後回しにしてしまいがち、この買い手(売り手)さんであれば信頼して進められるだろう、そう思いがちです。この方法は案件化することは簡単かもしれませんが、逆に信用を失墜する結果につながりかねません。
慎重な案件化を心がけたいところです。
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