売る売る詐欺、買う買う詐欺、というフレーズをご存知だろうか?
売る売る詐欺とは?
→「うちの会社売りたいんです」と言いながらも、実は売らない人。構ってちゃんだったり、自社の価値がどのくらいだろう、それを知りたいだけの人。構ってちゃんについては結構な有害ですが、自社の価値を算定したい、という方については致し方ないと思います。
買う買う詐欺とは?
→「こんな会社あったら買いたいんです」と言いながらも、実は買わない人。構ってちゃんだったり、会社の買収を考えるほど俺(俺の会社)は儲かっててお金持ってるんだぞアピールがしたい人。買う買うアピールについてはジャンジャンしてもらってウェルカム、というスタンス。なぜなら数回案件をご提案していく中で、その方の本気度はすぐ分かります。詐欺系のアピールである事が分かれば、その後の案件提案を控えていきます。
アドバイザーとしては、本気で売却を検討している人、本気で買収を検討している人、と交渉をした方が良いのは明らかです。
では、それぞれどんな方法で、仕草で、言動で、その方の本気度を試したら良いのでしょうか?
当記事では、その見極め方についてこれまでの経験則から列挙していきたいと思います。
・誰からの紹介でもなく(紹介案件の中には無理やり紹介されちゃってる系の人が稀にいる)、売主自ら接触してきているか?
→お節介な紹介者、は世の中に多数いると思います。当の本人はその気はなくても、押せ押せな紹介者の押しに負けて、紹介を受けざるを得ない場面に遭遇してしまう、そんなケースは多々あります。売主候補の場合も同様で、売主の周りの方々(売主候補に事業を売却して欲しいと思っている方々)から紹介されるケースの場合、当の売主はそこまで本気ではないケースが多いです。売主自ら、自分の意思で売却の相談に来ているか、ここに本気度の有無があると思います。
・具体的な譲渡時期が決まっているか?
→アドバイザーからの「いつ頃までに譲渡したいですか?」の質問に対し、どんな回答を得られるか?「いつでも良いけど相手が見つかり次第かな」などですと本気度は低いと思います。「来年65歳で、退職金積立目的で掛けている保険が満期になるからそのタイミングに合わせて辞めたいな」など、より具体的な引退イメージが持てている方は本気度が高いと思います。
・予算が具体的か?
→手持ち資金が◯円あって、銀行融資枠が△円あるから、すぐに動けるのは◯円以内の案件だ。銀行融資待ちの時間もらえれば◯+△円までの案件いける。などの具体的な予算の設定があれば、間違いなく本気だと思います。一方で、「利益次第かな」「案件次第かな」「予算はまだ未定」そんな抽象的な要望しかない方は買う買う詐欺である確率が高いと思います。
・対象業種が具体的か?
→「儲かってる企業が良い」レベルの抽象的なリクエストではなく、「漁業権を持っている日本海側の水産会社が良い」「京都の歴史や文化の紹介をしていて、多言語展開しているようなインバウンド向けメディアが良い」などの、希望業種が明確であればあるほど、本気度は高いと思います。
どうでしょうか?代表的、顕著な例ですが、上記が本気の売り手、買い手の特徴であります。
ただ、本気度の薄い方に出会ったところで落胆する、邪険にする必要はありません。
なぜなら今は構ってちゃんですが、要望が具体的になってくると本気の当事者になる可能性を秘めているからです。
本気度の薄い今は、【かわいい構ってちゃんだなぁ】くらいの広い心で、深追いする事なく適度な距離で接すれば良いのではないでしょうか。
この他にもLifeHackブログではM&Aの躓きやすいポイントについて紹介しています。合わせてお読み下さい!
M&Aのよくある失敗事例