M&Aのマッチングプラットフォームにおいて、売り手のアドバイザーをしていると感じる事があります。
1.案件の規模による買い手、アドバイザーの違い
それは、案件の規模によって買い手、あるいは買い手アドバイザーの毛色が違う、という点です(当たり前ですが)。
特に譲渡代金が1億円を超えるかどうか、で大きな差がある様に感じます。これまで1年くらい、M&Aマッチングプラットフォームでアドバイザーをしてきた私が感じた、肌感に基づく買い手候補者の分類は以下の通りです。
①譲渡代金が1000万円以下の案件
個人事業主の方や、本業はある上で副業を検討している方、などからのリアクションが多いです。
売上が数十億円以上ある企業様やFA(ファイナンシャルアドバイザー・買い手様に代わって案件のやりとりを進める方)の方からの問い合わせはほぼ皆無です。
この人絶対買う気ないだろうな、という方も立候補してきます。
②譲渡代金が5,000万円前後の案件
法人企業の代表者、法人企業のM&A担当者の方からのリアクションが多いです(企業の代表者自ら、ってケースが多いように感じます)。サイトM&Aでもない限り、なかなか接点を持つことが難しい決裁権者に、簡単に巡り会えてしまいます。
この規模になってくると個人事業主の方や、副業を検討している方からの反応はほぼ皆無です。あったとしても、「この規模感の方が対象案件の購入できるのだろうか?」というケースが多く、あまり現実味のある立候補ではありません。
③譲渡代金が1億円以上の案件
売上が数十億円以上の企業の代表者、FA(買い手候補様から依頼を受けているM&A業者さんや銀行のM&A担当者の方)の方からのリアクションがほとんどになります。
この規模になってくると、冷やかしや記念受験(買える気はしないけど、どこの企業が売りに出しているのか知りたい、的な需要)の方はおりません。
いずれの規模の案件においても、記念受験の方が一定数おります。
とりあえず、どこの、どんな会社が、どんな理由で売却を検討しているのか、そんな企業の財務状況はどうなっているのか、これを知りたいだけの方々ですね。
ここはしっかりと見極め、然るべき人にだけ情報を公開することで余計な情報公開を防ぐ必要があると思います。
2.規模の大きい案件にかかわることのメリット
規模が大きい案件を担当していると、たくさんの買い手企業様からお声がけを頂きます。
同業のFAの方からもお声がけを頂きます。←この機会が非常に重要である、そう強く感じています。
なぜなら、同業者との接点が増えてくると、案件のやり取りが出来るようになるからです。その時やり取りをした案件以外にも、案件を何件か持っています。
接する案件増える=マッチングの確率が上がる、と言うことに繋がります。
それに何より、同業の方とやり取りをすると、慣れているため何事もスムーズに進むのです。
これがM&A初心者の企業担当者、企業の代表者などですとそうもいきません(決裁のスピードは早いですが)。
3.規模の大きい案件を担当することはM&A業務の生産性を上げるために重要
原価のかからないビジネスモデル、そう言われているM&A業務。経費を削る、という点では削る部分がないため、生産性を上げるには1案件の成約までの期間をいかに短縮できるか、がポイントとなります。
これが同業FAの方と進めることによって、初めてM&Aに望む人とやり取りする場合に比べて、圧倒的に短縮できるのです。
仲介として案件を成立させた方が両者から報酬を頂けるので良いのでは?そう考える方も多いと思います。
一時的にはそうかもしれませんが、その後の拡がりや新しい案件の拡がりなども考慮に入れると、肌の合うFA業者さん(会社、というよりは担当者さんでしょうか)と案件を進めることの方が伸び代は大きいのではないでしょうか?
同業者様からのお声がけ、積極的に待っております。
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