買い手による一番の勘違いは、
希望の金額で買い取りさえすれば、どんな買い手でも良いんでしょ?
です。モノを買う、そのような場面であればその考え方でも通用するかもしれません。
しかし、ことM&Aの場面では、そうではありません。
売り手には売り手なりの希望条件や譲れない点が多いのです。
同業者の事業拡大戦略としての買収ということであれば、慣れた方への事業継承ということで売り手も安心して引き継ぎを想定できるかと思います。一方で異業種への参入や、別の思惑がありそうな方の参入の場合、スムーズに交渉が進まないケースがあるので注意が必要となります。
①買い手はどんな人なのか?
②対象業種の事業経験はあるのか?
③本業は安定しているのか?
上記3点が、売り手サイドからよく聞かれる質問です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
これはどんな売り手も気にされる点です。「どのような経歴の方で、どのような人となりの方なのか?年齢は?出身はどこ?」などなど、人付き合いを行う上で一般的に知りたくなるような情報がほとんどです。
会社を譲る、ということは従業や取引先との関係も継承することになりますので、買い手候補の方がしっかりした方かどうか、という点は必ず気にされるポイントとなります。
これもよく質問される事項です。「なぜうちの会社に興味を持ってくれているのか?事業経験はあるのか?あるとすればどれくらいの経験があるのか?店舗(事業所)はいくつくらいあるのか?」などなど、買い手の方の事業経験に関する質問となります。
全くの新規参入者に譲渡する場合と、対象業種での事業経験が豊富な方に譲渡する場合と、売り手からするとどちらが安心できるでしょうか?間違いなく後者です。
その認識のない買い手の方が多く、買収資金さえ準備できれば交渉がうまく進むと思っている方が多いです。
これもよく聞かれます。「今やっている事業は順調なのか?売上はどのくらい?利益は出ているの?資金は潤沢なの?」などなど、買い手の財務内容、資産内容に関しての質問です。
譲渡後に収益が悪化したとしても、既存事業が安定していればなんとかなりそう、そんな安心材料を求めての質問になると思います。
買い手の中には、「こちらが買うんだからうちの財務内容は関係ないでしょう」的なスタンスの方もおられます。全く売り手の気持ちを考えられていない典型例ですね。
以上です。
いずれも、自社を売却するとしたら当たり前に気になる事項ではないでしょうか?ところがいざ自分が逆の立場になると漏れてしまう視点でもあります。
相手の気持ちに立って、気持ち良い交渉を進めていきたいものですね。とは言え初めての経験となるM&Aの交渉だと思いますので、なかなか難しいことでしょう。そんな時は、経験豊富なアドバイザーの方と相談しながら進めていくのをお勧めしたいです。
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