これまで延べ100件以上の売り手アドバイザーをやってきた中で、意外な理由で立候補してきた買い手様をお断りするケースがあります。
当記事では、私がこれまで経験してきた意外な理由3選をご紹介したいと思います。
これは驚きました。多角経営=やり手、自社の事業を継承するならやり手の経営者にお譲りした方が安心だろう、というイメージが覆されました。
どうやら、多角経営=核がない・利益重視の経営手法であることが予想されるため、これまで手塩にかけて育ててきた自社の事業を任せたくない、そんな直感が働いた様です。
実際には多角経営だからといって核がない訳ではないかも知れません。もしかしたら同様の事業を複数事業手がけている、等であれば良かったのかも知れません。当該立候補企業は多業種展開しているものの、それぞれの事業をポツポツと展開している、そんな企業だったのです。ホームページからその雰囲気を感じ取ったとの事でした。
自社の事業を拡大してほしい、全国に展開してほしい、そう考えているオーナーの案件を継承する場合には、多角経営の企業様は相性が良くないかもしれません。
これまた意外かと思います。近隣エリアの引き継ぎ手であれば、色々スムーズにスムーズに事が進みそうなため喜ばれるかと思いきや、逆の反応でした。
どうやら、近すぎる故に気まずい、との事でした。交渉がスムーズに進み、その方に譲ることが100%確実であれば近いに越したことはないのですが、仮に交渉が流れてしまった場合のことを考えると気が引けるようなのです。
確かにそうですよね。取引先である可能性も高いですし、今後取引先となる可能性もあると思います。ライバルになり得る可能性もあります。そんな企業に対して、自社の内部状況やビジネスモデル、商流などを全て公開することは得策ではないかもしれません。
これはアルアルかもしれません。
一般的なM&A戦略の一つとして、販路の拡大、というものがあります。全く同じ商品やサービスを、別のエリアで販売している企業を取り込むことで、自社の売上規模をあげるM&A戦略です。
私が担当したケースでは、売り手サイドの売上が1億円だとすると、買い手候補様の売上規模は100億円でした(要は規模が200倍)。ただ、この売り手様は特別なノウハウを持っており、このまま交渉を進めて大手にノウハウが渡ってしまうと業界全体の価格破壊が起きる、そんなリスクを感じた様です。
譲渡後は、全く同業種ではありませんが関連する業種での新事業展開を検討していたため、泣く泣く交渉をお断りしたケースです。
いかがでしたでしょうか?誰もが同じ理由で断る理由ではないかもしれません。
逆に、上記の理由だからこそ交渉がしたい、という売主様もいるかもしれません。いずれにしても、対象案件の業種、ビジネスモデル、その後の展開や譲渡理由なども加味しながら、臨機応変なご提案を進めていきたいものですね。
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