売り手オーナー様より「事業を売却したい」そんな相談を受けた場合、どのような資料を確認すれば良いのでしょうか?いきなり買い手候補者の方に案件を振るのではなく、まずはアドバイザーの目線で案件を精査する必要がございます。
当記事では、案件化前にアドバイザーが確認すべき資料をご紹介していきます。
1.対象会社の基本情報確認用
・定款
対象会社のルールブックを確認します。譲渡に際して阻害要因になるような条文がないか、株主(発起人)は誰なのか、決算期はいつなのか、などを確認します。
・登記簿謄本
代表者を含む役員の確認、株式を譲渡するための制限がないか、株式の発行数の確認、などを確認します。
2.対象会社の財務情報確認用
・決算書3期分
繰越欠損金はあるのか、申告済みのBS・PLはどうなっているのか、主要科目の内訳はどうなっているのか、などを確認します。
・直近の試算表
決算期からだいぶ期間が空いてしまっている場合(半年以上など)、直近の財務状況を把握するために必要となります。
・月次推移表
1年間の損益推移を確認します(季節性の変動がないか、過去から直近への推移はどうなっているか、の確認のため)。
3.対象会社の従業員情報確認用
・従業員名簿
従業員は何名いるのか、正社員・パートスタッフの内訳、年齢や勤務年数、などを確認します。
・給与明細
基本給やその他手当を含む月の人件費の金額、社会保険加入の有無、などを確認します。
・シフト表
資格者要件を満たしているか(常勤が求められる資格者がきちんと常勤として働いているか)、各スタッフの勤務数の確認、などを実施します。
4.まとめ
以上です。今回は主要なもののみを列挙しました。買い手候補様に提案する際に作成する、案件概要書を準備するためにはより詳細な情報が必要になることがございます。
案件化前の初期判断時において、この案件は売りに出しても問題ないか、売却を阻害するような社内規程がないか、財務状況はどうなっているか、売却価格はいくらくらいが妥当なのか、などを行うためには、最低限上記の資料は確認しておきたいものです。
ライフハックブログでは他にも、これからの時代のM&Aアドバイザーにとっての実務についてまとめています。以下も合わせてお読み下さい。
M&Aアドバイザーの実務TIPS
その他、M&A業務協業のご相談、案件の問い合わせ、セカンドオピニオンのご相談、M&A事業部立ち上げ希望の方は下記フォームからお問い合わせください。