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事業譲渡で見落としがちなポイント 不動産への追加費用に要注意

作成者: lifehack|Aug 26, 2021 12:07:10 AM

売主、買主それぞれとの条件交渉もまとまり、いざ最終契約に伴う手続きを進めようとしているタイミング...

そんな時に、とある事が原因で交渉がストップしてしまう事があります。事前に把握していれば防ぐ事ができる事態なのですが、油断すると交渉ストップどころか交渉自体が破談となってしまう事さえあるので注意が必要です。

当記事では、事業譲渡の際に気をつけなければならない事項を紹介したいと思います。

1.不動産オーナーへの追加費用が発生

どんな事態かと言うと、契約締結に伴う不動産オーナーへの追加費用の発生です。

事業譲渡の場合、事業で使っているテナントの賃貸契約は結び直しとなります。前オーナーと大家さんとの賃貸借契約は解除し、新オーナーと大家さんとの間で新たに賃貸借契約を結び直すのです。

これは新規での賃貸借契約と同じですので、敷金や礼金、場合によっては仲介手数料、などが発生します。ですので、家賃の金額が高額なテナントを使って事業しているケース、こんなケースでは非常に顕著となります。

2.実際にどれくらいの追加費用が発生するのか?

※家賃50万円のテナントで営業している飲食店を、譲渡代金500万円で継承する場合を例に考えてみましょう。

不動産オーナーへの費用を意識しないで検討している場合、買い手として必要な資金は500万円です。そのつもりで売り手との最終契約の準備を進めているのですが、実は追加で下記の費用が発生するのです。

・敷金2ヶ月分
50万円×2ヶ月分=100万円

・礼金2ヶ月分
50万円×2ヶ月分=100万円

・仲介手数料1ヶ月分
50万円

・合計
250万円

譲渡代金と合計すると750万円が譲渡契約・不動産契約のタイミングで必要になるのです。500万円で計算していた買い手からすると、1.5倍の初期費用が必要になるのは想定外、予算オーバーになるケースがほとんどです。

3.予算オーバーが発覚した後に行われる対応

とは言え、売り手、買い手、アドバイザー含め、最終契約までこぎつくために多くの時間と労力を要してきたため、交渉を中断し、別の第三者とイチから交渉を進める決断をするのは厳しいものがあります。実際どうなるケースが想定されるかと言いますと、

・売り手が折れて売値を下げるケース
→当初預けていた敷金100万円がありますので、減額されることはあってもこの敷金は売り手の元に返ってきます。売値を400万円としても、返却される敷金と合わせて500万円は手元に残ることで手を打ってくれないかご相談するイメージです。

・アドバイザーが報酬を下げるケース
→上記に加え、売り手・買い手、それぞれ波風立たない方法がこの方法です。売り手は譲渡代金から、買い手は譲渡代金に加えて、アドバイザーに報酬を払います。この金額が下がれば、それぞれの手取り額を増やすことや負担額を減らす事が可能になるのです。

 

上記のパターンが考えられます。元を正せば、上記も加味した上で交渉を進める、資金計画を立てるべきところなので、アドバイザーの落ち度であると思います。その代償として、案件を成約させるためにアドバイザーが泣く必要があるのかな、と思います。

 

4.まとめ

辛いですよね……。

そんなことが起きないよう、事業譲渡のケース、譲渡代金と比較してテナントの家賃が高いケース、これらのケースは不動産契約に伴う初期費用も加味して予算取り、ご提案をすることを意識して交渉に挑む様にしましょう。

最初から事業譲渡想定で動いているケースでは漏れることはないのですが、株式譲渡想定で動いていた案件が急転直下事業譲渡にスキーム変更したりするケースの場合、漏れてしまう可能性があるのではないかと思います。

 

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