『М&Aに興味ありますか?ご興味があればお手伝いしますよ?』
と投げかけて、明確な回答ができる中小企業オーナーの方はどれだけいるでしょうか?おそらくほとんどいないと思います。
『よく聞くけど、そもそもM&Aって何なの?どんなことが出来るの?』
と、返事が来ることでしょう。
『後継者がいない飲食店を、そのエリアで出店したいと思っている若者に継承する方法の一つにM&Aがあるんだけど興味ある?』
『エンジニアが不足しているみたいだけど、赤字でもいいならエンジニアを100人抱えているうちの会社をM&Aで引き継ぎたいんだけど、興味ある?』
こんな質問をされたら回答しやすいでしょう。そして、このようなやり取りは意外と日常の中で頻繁にされているのではないでしょうか?
当記事では、【M&A】という単語を用いずに、潜在的なM&A需要を探る方法を紹介していきたいと思います。
私自身、以前はこんな営業をしていました。
『М&Aしたい人いたら紹介して』
『どんな会社だったら買いたい?』
M&Aをよく理解している方、何度も経験している方には通じるかもしれません。しかし、そんな方はレアなので、何人に声かけしていたとしても反応があるのはごく一部なのです(実際、話に繋がった方はおりませんでした)。
では、具体的にどんな質問をしたら潜在的な需要を引き出すことができるのでしょうか?そんな質問例をいくつか紹介したいと思います。
【潜在的な売り手を見つける質問】
①後継者はいますか?
→「いない」という回答であれば、いずれ事業の譲渡を検討するタイミングが来ることでしょう。
②お子さんはどこかに就職したのでしょうか?
→公務員や上場企業などの安定職、自宅から遠いエリアでの就職など、跡を継がなそうな職場に就職しているとしたら、いずれ事業の譲渡を検討するタイミングが来ることでしょう。
③資金注入出来たらもっと会社大きくできそうでしょうか?
→「イエス」という回答であれば、資金力のある自社よりも大きい企業の傘下に入る選択肢が生まれるかもしれません。
④たくさん店舗ありますが、管理は行き届いてますでしょうか?
→「いいえ」という回答であれば、管理が行き届かない店舗のみ、一部の事業を譲渡する可能性がある事でしょう。
⑤銀行借入の連帯保証解除したいなぁ、と思うことはありますか?
→「イエス」という回答であれば、個人の連帯保証解除を条件とした譲渡を求める可能性があります。
【潜在的な買い手を見つける質問】
①エンジニア増やしたい願望ありますか?
→「イエス」という回答であれば、エンジニアを多数抱える企業の譲渡案件に興味を示して頂ける可能性があります。
②求人でなかなか集められない資格者はいますか?
→「イエス」という回答であれば、求める資格者を多数抱える企業の譲渡案件に興味を示して頂ける可能性があります。
③新たに始めたい事業はありますか?
→「イエス」という回答であれば、事業内容によっては手持ちの譲渡案件(売り案件)をご提案できる可能性があります。
④顧客層がかぶってる業種ってどんな業種ですか?
→かぶってる業種をご提案、継承して頂くことでクロスセル(自社の商品を、顧客層のかぶってる業種のお客様に販売すること)が可能になります。
いかがでしょうか?上記の会話であれば、具体的にすぐに可能ではないでしょうか?
他にも潜在的な需要を探る質問はあると思います。いずれも共通するのは、企業の抱える課題に関する質問な点です。課題の有無を色々な角度から探り、その課題を解決する方法を知っている企業をご紹介する、そんなことに注力することでM&Aの交渉へと進んでいくのではないでしょうか。
ライフハックブログでは他にも、これからの時代のM&Aアドバイザーにとっての実務についてまとめています。以下も合わせてお読み下さい。
M&Aアドバイザーの実務TIPS
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