思い立ったら動き出そう!会社、事業をM&Aで売却する際の流れとオススメのタイミング

「会社の売却を考えているんだけど何年前から動き出せば良いのか」

そんな問合せを受けることが増えてきました。これまで手塩にかけてきた自分の会社を売却するのは寂しいものです。それ故、マリッジブルーならぬ売却ブルーになるオーナーの方も少なくありません。

結婚に例えられることが多いM&A。当記事ではM&Aを結婚に例えて、売却を検討する最適な時期についてご紹介したいと思います。

 

 

「会社の売却を考えているんだけど何年前から動き出せば良いのか」

この質問に対して、私がよくお答えしているのは、

「思い立った時から買い手探しをスタートしていきましょう」

です。それはなぜか、以下詳しい理由も踏まえ説明していきます。

 

 

1.相手先が見つかるまでには時間がかかる

「いざ継承してくれる人を見つけよう」

そう思って動き出したとしても、すぐにお相手が見つかるわけではございません。候補者何名かと面談などを行い、相性の良い人を探すわけですが、1人目や2人目で巡り会うことは稀で、平均的に3人〜5人程度面談することになると思います(ネットM&Aであれば、メッセージだけやり取りする方も含めると10人〜15人程度)。

候補者との面談も、次から次へと順番待ちしてくれているのなら良いのですが、そんな事はなく、候補者を見つけ出すのも大変な上に、両オーナーの日程調整などをしていると月に1人と面談できたら良い方だと思います。

さらに、たとえ見つかったとしても、条件交渉・調整、万全な引き継ぎなどを含めると、巡り会ってから引き継ぎの完了までの期間は3年程度はかかります。裏を返すと、3年後に第一線からの引退を考えているならば、今から動き出す必要があるのです。

※結婚に例えると、M&Aのスケジュールイメージは下記です。

恋人候補探し期間=買い手候補を探す期間
:半年〜1年間

→友達に紹介を求めたり、街コンに参加したり、マッチングサイトに登録したり、恋人候補を探す期間

相手を見極める期間
3ヶ月〜半年程度

→友達からスタートして、デートに出かけたり考え方を共有したり、本当にその人で良いのか見極める期間

婚約して二人のルールを決める期間=譲渡の条件を決める期間
1ヶ月〜2ヶ月

→この人だ!!と思ったら婚約し(他の恋人探しをストップする)、ゴミ捨ては誰がやる、料理は誰がやる、浮気したら○をする、などのルールを決める期間。

結婚式までの準備をする期間=従業員との面談や新役員構成を決めたりする期間
半年程度

→それぞれの両親へのご挨拶、関係者に挨拶回り、式の余興や挨拶を誰に任せるかを考えたりする期間

結婚生活を送る期間=売り手から買い手への引き継ぎ期間
1年程度

→共同生活を始めて、結婚前は気づかなかったことや一緒に暮らすことで初めて知ることを飲み込む期間

安定期(必ずしも安定しているとは限りませんが...)

 

2.いつでも交渉をストップすることができる

よく誤解をされている方が多いのですが、基本的には譲渡契約を結ぶまではいつでも交渉をストップすることが可能です。それ故、

・本当に相性が良さそうな方に出会うまで
・事業の間に相乗効果が見込めそうな企業に出会うまで

上記の期間は、手当たり次第買い手候補を探すことが出来るのです。結婚するまでは恋人とどれだけ付き合おうが別れようが自由なのと一緒ですね。デートを重ねたからといって付き合わなくても良いのと一緒です。

3.優位に交渉を進めるなら健康面や心身面など、万全なうちから交渉を

「この先具合が悪くなるかもしれない。具合が悪くなったらすぐに買い手を探したい」「70歳で引退したいから、70歳になったら買い手を探したい」と言う方が非常に多いです。そして、その時の参考にしたいので、「うちの会社を今売るとしたら、いくらくらいの価値があるか?」お問合せ頂くことが増えてきました。

算出の結果会社の価値が1億円だとすると、「1億円で売れるならその時が来たら売却しよう。オッケーわかった、3年後に1億円で売るわ」と言う判断をする方も多いのですが、1億円で売却できるのは今の会社の状況が前提となります。3年後、1億円で売れる保証はありません。財務状況が悪化し、半減してしまうかもしれません(逆に好転するケースもありますが)。今から、買い手探しをするのであれば参考になるかもしれませんが、数年後に動き出すことを考えているのであればあまり参考にならない試算になるでしょう(やらないよりはマシですが)。

さらには、何かしら問題が起きてから買い手候補を探すとなると、焦りや体調の問題から正常な判断ができないことがほとんどです。それらのことを考えると、交渉を進めるのであれば元気なうちから、思い立った時から始めることをお勧めしています。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?

M&Aアドバイザーという仕事は案件が成約した際に成功報酬が発生するビジネスモデルのため、「報酬欲しさに案件を無理矢理でも始めたいんだろ?」と思われがちです。そうではなくて、本当に3年間くらい要すること、そのためには今動き出す必要があること、お分かり頂けましたでしょうか?

優位に交渉を進めるために、何事も万全な時期から、動き出すことをお勧めしています。

 

ライフハックブログではこの他にも事業を売却を検討している方に向けて様々な情報をまとめています。合わせてお読み下さい!
M&Aで事業を売却するためには


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