M&Aによるオーナーチェンジで変動する会社の利益 その代表的な要素とは?

M&Aによりオーナーがチェンジする場合、利益が大きく変動する場合があります。

利益が変動するということは会社の価値が変わります。会社の価値が変わるということは、売却価格も変わります。そのことを知らないオーナー様は、世の中に非常に多いです(自社の価値を過小評価してしまっているのです)。

 

当記事では、そんな過小評価をなくし、自社の本来の価値を見定める方法を知って頂けたらと思います。

 

企業によってマチマチですが、変動する利益の金額が年間2,000万円を超えることもザラにあります。では代表的な変動要素にはどんなものがあるのでしょうか?代表的な例をいくつか紹介していきたいと思います。

 

①役員報酬

旧オーナー陣営の役員報酬のことです。オーナーチェンジに伴い、代わりの人材を入れない限りは人件費が発生しなくなります。
社長の役員報酬が月額50万円、奥様の役員報酬が月額25万円、だとすると年間900万円の人件費がなくなります。

 

②生命保険料

旧オーナー陣営を被保険者とした生命保険です。中小企業においてよくある保険契約として、オーナーの退職金積立を目的とした生命保険に加入しているケースが多いです。
引退時に1億円の退職金を想定するなどし、20年後に一番お得な結果になる様な保険(ガン保険など)を契約している、などのケースです。20年間で1億円以上を払い込む保険となりますので、年間で500万円以上の保険料を払い込んでいることになります。オーナーが退職すると保険契約も解約することになるので、以後保険料負担はなくなります。

 

③接待交際費

特に、個人的要素の強い接待交際費です。例えば、仲良し経営者友達や家族との飲食代、贈答用と見せかけた私的な物品の購入などです(税務上は経費にならないものかと思いますが、中小企業の実態としてはザラにある支出)。

特に多いのは、仲良し経営者友達などとの食事代などでしょうか。女性が接客してくれるお店が好きな経営者ともなると、月の飲食代は10万円を超えることはザラにあることでしょう。私的な飲食代は年間120万円ほどになります。

 

④旅費交通費

こちらも私的要素の強い旅費です。旅行好きなオーナーの場合、友人との旅行や家族との旅行などを経費として処理していることがあると思います(こちらも税務上は経費にならないものかと思いますが、中小企業の実態としてはザラにあるケースでしょう)。

例えば家族四人として、年に3回旅行に行くとします。一人あたりの旅費を10万円とすると、全員での旅費は年間で120万円となります。

 

⑤地代家賃

こちらは旧オーナーに対する地代や家賃などです。中小企業の事業形態として、事務所は法人名義ですが事務所の土地はオーナー個人名義であり、月間10万円などの地代を支払っているケースがよくあります。譲渡後も旧オーナーに地代を払い続ける契約を継続する場合もありますが、基本的には全て法人にまとめて譲渡するケースが多いです。すると、オーナーに支払っている地代、年間120万円がなくなります。

 

⑥外注委託費

こちらも中小企業の節税あるあるです。実際に必要な外注委託費とは別に、グループ企業(オーナーの奥様を代表に据えた企業など)に対して外注費として支払っている事がよくあります。

月額30万円〜100万円など金額は様々ですが、何かと名目をつけてグループ企業に資金を流しつつ、本体企業の節税をしているのです。仮に月額30万円ずつだとしても、年間で360万円ほどの支出となります。オーナーが変わることによって、この経費もなくなることになります。

 

7.まとめ

いかがでしょうか?上記の年間経費削減額を合算すると2,120万円ほどになります。つまり、オーナーが変わることで年間2,120万円ほどの利益が増えることになるのです。

 

「会社売却?いやいやいや、うちの会社は毎年1,000万円の赤字だから売れないよ〜〜」

そう勘違いしていませんか?オーナーチェンジによってなくなる経費も加味すると、あなたの会社は年間1,000万円を超える利益を叩き出す企業かもしれないのです。

「M&Aは聞いたことあるけどうちの会社は赤字だから関係ない」

その考えは勘違いかもしれません。一度、オーナーが変わった場合の利益想定額を算出してみてはいかがでしょうか?

当社でも、簡易的な利益の算定・売却価格の算定を行っております。3期分の決算書をご提示頂ければ算出可能となっておりますので、事業売却を少しでも検討している方はお問い合わせください。

実はとんでもない価値があるかもしれません....

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