地方ローカルでのM&Aは地域経済の活性化につながる
M&Aというと、買い手企業・売り手企業のみ関係する取引、そうお考えの方が多いと思います。
1.M&Aをすることで生まれる新たな需要
実は、売り手企業の取引先様、買い手企業の取引先様、などなど、関連する取引企業様にも効果が及ぶのが地方におけるM&Aの特徴かと思います。
・売り手企業=地方ローカルエリア
・買い手企業=首都圏の企業
そんなM&A案件には、付随する地方ローカルの専門業者によるPMI支援需要が大いにあるのです。今日の記事は、地方でM&A支援業務を行なっている専門家向けの記事となります。
2.契約締結後に発生する統合プロセス(PMI)
PMIとは、「ポスト・マージャー・インテグレーション」の略で、M&A後の統合プロセスの事を指します。
飲食店を例に取ると、オーナーが変わって店長も変わって、雰囲気も変わるのでアルバイトの子たちの不満や気持ちの変化を汲み取って調整してみたり、
これまで属人化していた業務や作業をマニュアル化してみたり(残すべきものは残したり)、新たに収支計画を策定してみたり、改装工事がお願いできる地元業者を選定したり、です。
基本的に、M&Aアドバイザーが行うアドバイス業務って、「成約まで」なケースがほとんどなので、成約後のあれやこれや、については買い手&売り手任せです。
こと、大企業同士のM&Aの場合は、システマチックな部分が多いので原理原則に基づいて、買収に慣れた買収側主導で、うまいこと進むことが多いです(うまいこと進まないケースも多い様ですが)。
良くも悪くも買い手側の担当者は小慣れてはいるので、それなりに進みます。
3.地方でのPMIはその地域に詳しい専門家のフォローが求められる
しかし、同じことを田舎のとっちゃんかっちゃん企業の買収で実施したらどうなるでしょうか?
まず、言葉が通じません笑。
そして何より、地方の中小零細企業のM&A案件の場合は、原理原則によらない出来事が起こることが多いです。特に、売り手が地方の場合は特にです。
その企業の位置するエリア独特の慣例だったり、仕事の頼み方・回し方だったり。。。
そのエリアの慣習を分かっている、買い手・売り手の調整ができる第三者(買い手でも売り手でもない誰か)が必要になると思います。
地方の業者、慣例が分かっている専門家が、譲渡後の各種手続きを進めることでことがスムーズに進む確率が大いに増す事でしょう。
ローカルの事はローカルの者しか分かりませんし、首都圏の専門家はそこまでのコストをかけて地方の支援をすることは割りに合いません。
4.M&Aとそれに付随する需要で地域経済に貢献も
M&Aによって地元の雇用・産業を維持しつつ、関連する取引業者の仕事も生み出しつつ、地域経済に貢献できたら本望な気がします。
これは、その案件をまとめたアドバイザーである必要はないと思います(当該案件のアドバイザーが実施できると理想ですが)。
ですので、東京のアドバイザーが地方の案件をとりまとめて、そのアドバイザー自体は成約したらバイバイでも、当該地方の専門家が引き継いで譲渡後のフォローをしていく、そんな流れが今後ますます求められていくんじゃないかなぁ、と思っている今日この頃です。
「売買でバイバイ」
そんな世の中にバイバイしたいですね。
地方の専門家の求められるM&A周りの需要は、首都圏のそれとは大分違う気がしました。