今回は、M&Aプラットフォーム『BATONZ(バトンズ)』に掲載されていたM&A譲渡案件を分析・解説していきたいと思います(今後も定期的に勝手に分析、解説していきたいと考えています)。
お眼鏡にかなう様でしたら、問い合わせてみてはいかがでしょうか?
※ちなみに私はアドバイザーでもなく、売主でも買主でもなく、当案件には全く関係ない立ち位置です。当社はその正統性、確実性を保証するものではありませんので、各種判断は自己判断でお願いします。
バトンズとは?
では早速案件を見ていきましょう。
案件概要
以下、バトンズに掲載されている案件概要を抜粋したものとなります(2021年8月11日10時時点)。
事業内容
・フルーツジュース専門店の運営
・フランチャイズ本部の運営
譲渡希望金額
応相談
譲渡形態
事業譲渡
譲渡対象
・テイクアウト型スイーツ部門の事業譲渡
・建物・付属設備, 賃貸借契約, 従業員, ノウハウ, 特許・商標
所在地
関東地方(北関東エリア)
譲渡対象事業の従業員数
2名
事業の売上高
3,000万円〜5,000万円
事業の利益
500万円〜1,000万円
事業の特徴
・ひとつずつ手作りする「フルーツサンド」などのオリジナルスイーツは限定数販売
・午前中には売り切れてしまうほどの人気
・顧客層は30~40代の主婦層中心
・グルメレビューサイトでも高評価
・インスタグラムのフォロワー数5,000名超
・現在は一店舗にて営業(今後、FC展開の可能性を視野に入れている)
当社が考える、当案件M&Aを進めていく上でのポイント
①譲渡対象資産の特定が必須
案件の概要からは譲渡対象となる事業が明確に読み取れませんでした。会社概要(譲渡対象事業、譲渡対象とはならない事業も含む)として『フルーツジュース専門店の運営』となっており、譲渡対象として『テイクアウト型スイーツ部門』と記載されております。
現在、フルーツジュース専門店を○店舗運営していて、その中の1店舗『テイクアウト型スイーツ店舗』が譲渡対象だろうとは推測できますが、念のため譲渡対象店舗の特定を明確にした方が良いと思いました。
また、譲渡対象資産として『建物・付属設備, 賃貸借契約, 従業員, ノウハウ, 特許・商標』と記載されております。店舗建物が建っているのか?厨房設備にはどんなものがあるのか?賃貸借契約にはどんなものがあるのか?特許・商標を持っているのか?などの確認も必要となるでしょう。
②所在地の特定が必要
実名開示依頼をし、了承されれば具体的なエリアが判明するかとは思います。実名開示をしない限りは、関東地方の案件である、ということしか分かりません。これは、案件を特定させないために、売主様のことを守るためにあえて抽象的に表現しておるのかと思います。
一方で、買主の立場からするともう少し具体的なエリアが分からないと判断のしようがありません(群馬の案件なのか、千葉の案件なのか、でも大きな違いかと思います)。バトンズの交渉においては、実名開示の依頼前にチャット上で質問のやりとりができる仕組みになっております。そちらを利用してもう少しエリアを絞る必要があると思いました。以下質問例です。
「関東地方エリアとの事ですが、エリア的にはどのあたりでしょうか?特定できない範囲で結構です。もう少し教えていただけますでしょうか?(首都圏から1時間の範囲内、茨城・栃木エリア、など)」
③譲渡対象事業の売上、利益の再確認が必要
上記に記載したように売上は3,000万円〜5,000万円、利益は500万円〜1,000万円ということは分かっています。基本的には譲渡対象事業単独での売上・利益を記載する箇所かとは思いますが、会社全体の売上・利益が記載されていることもあります。
念の為、上記記載の売上と利益が、今回対象となる事業単独の数字なのかの確認はしといた方が良いでしょう。
④口コミ評価などの確認
グルメレビューサイトでも高評価、とあります。ぐるなび、Google、ホットペッパーなど、どの媒体での評価なのか、具体的にどのくらいの評価なのか(実名開示をする前に開示頂くのは難しいかもしれませんが、★3.0以上なのか、3.5以上なのか、4.0以上なのか、などの確認をしてみるのはありだと思います。あとはレビューの数ですね。3件のクチコミで5.0の評価なのと、500件のクチコミで5.0の評価なのでは全然違います)
⑤SNSの実質的効果の確認
インスタグラムのフォロワーが5,000名超、とあります。このフォロワーに価値があるのか、という確認は必要かと思います。フォロワーを増やすだけならお金をかければ簡単に可能な世の中です。熱量の高いファンの5,000名なのか、お金で買われた薄いフォロワー5,000名なのか、大きな違いです。
実名開示後は、アカウントを見せてもらうようにした方が良いかもしれません。熱量高いファンであれば、投稿に対するコメントは活発に、イイねの数も一定以上になっているかと思います。
⑥諸々含めて総評
フルーツサンド店を始めたい、フルーツサンド店舗を買いたい、そんなクライアント様がいればぜひ紹介したい案件でした。ただ、店舗の特定を避けるため、案件の概要が抽象的だな、という印象です。
特に、譲渡希望金額が「応相談」となっており、クライアント様になかなか声をかけにくいなと思いました。年間利益が500万円〜1,000万円出ているとの事ですので、1,000万円前後の売値であれば買い!!と思いました。譲渡対象資産の中に「建物」との記載もありました。本当に店舗建物も譲渡対象になる、建物に価値がありそう(とはいえフルーツサンド店舗なのでそこまで大きな価値はなさそう)、であれば[1,000万円+建物価値分]でもありかな、と思いました。
商材がフルーツサンドということで、今時点では流行っている商品かとは思います。今後、この人気が継続するのか、もポイントでしょうか。ただ、2年で廃れてしまうとしても譲渡代金次第では投資資金が回収できる、そんな判断ができるかもしれません。
所感としては、案件概要を眺めただけでは魅力が薄い感じがしてしまいますが、深掘りしたら魅力がたくさん出てくる案件ではないか、と期待が膨れ上がる案件でした。
以上です。
当案件に興味をお持ちの方は下記詳細ページから問い合わせてみてはいかがでしょうか?
当案件担当のアドバイザーの方が対応してくださると思います(売主様サイドのアドバイザーがいる場合と、売主様が直接掲載している場合とがあります。当案件は売主様サイドのアドバイザーが掲載している案件になります)。
特に、当案件は仲介前提の案件となっており、買い手様サイドでアドバイザーを依頼することが基本的には不可になっています(稀に仲介前提ではありますが、買い手サイドのアドバイザーからの立候補が可能な案件もあります)。売主様の依頼しているアドバイザーの方に、買い手様もアドバイザーを依頼する形になるかと思います。
繰り返しになりますが、私自身はこの案件には何も関係ありません。案件を分析してみただけですので悪しからず、です。
この案件の詳細はコチラ(会員以外は一部しか閲覧できません)
https://batonz.jp/sell_cases/8550?current=0&sid=8550&sort=new
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