M&Aの実務において、買い手企業が銀行からM&A資金を調達する場面は非常に多いですよね。しかし、「銀行からの資金調達はスムーズに進む」と思っていたら大間違い。実際の現場では、銀行の対応の遅れが原因で、売主・M&Aアドバイザー・士業専門家の先生など、関係者全員が振り回されるというケースが後を絶ちません。
このブログでは、税理士先生が顧問先のM&Aをサポートする際に、銀行融資の場面で何を注意すべきかを詳しく解説します。M&A支援を円滑に進め、先生の価値を高めるためのヒントを詰め込みましたので、ぜひ最後までご覧ください!
M&A資金を銀行から調達する際、以下のような問題が頻発します。
M&A融資は一般的な事業資金の融資とは異なり、特殊な資金使途のため、銀行内部の審査フローも通常の融資とは異なります。
しかし、多くの銀行ではM&A案件に精通した担当者が少なく、「M&A融資は初めて」という若手担当者が対応することも珍しくありません。
経験不足の担当者に当たると…
結果として、買い手側の融資承認が遅れ、売主の不安が増し、最悪の場合、M&A契約が破談になることもあります。
M&Aのスケジュールはタイトです。特に売主側は「〇月〇日までに決済してほしい」と明確な期限を持っているケースがほとんど。
しかし、銀行の融資審査は、以下のような理由で平気で遅れます。
このような銀行の遅れがあると、売主だけでなく、対応するM&Aアドバイザー、士業専門家、などの当事者全員が右往左往する羽目になります。
よくある最悪のシナリオ:
こうなってしまうと、買主は時間と労力を無駄にし、税理士先生やM&Aアドバイザーの信用も傷つきます。
「銀行の対応が遅れると、こんなに大変なことになるんだ」と事前に意識しておくことが重要です。
では、M&A資金を銀行から調達する際、どのようにすればスムーズに進められるのでしょうか? 以下の3つの対策を意識するだけで、M&Aの進行がグッと楽になります。
M&A融資に慣れていない担当者に当たると、全てが遅れる原因になります。
そのため、顧問先が融資を申し込む際には、以下のポイントを事前にチェックすることが大切です。
担当者の経験値次第で融資のスピードは大きく変わるため、事前に銀行側と調整することが重要です。
M&Aの融資審査は、一般的な事業資金の融資よりも時間がかかる傾向があります。
そのため、買主が「銀行に相談してから2週間後に審査結果が出る」と甘く見積もっていると、大きな落とし穴にハマります。
実際には…
そのため、M&Aの交渉と並行して、早い段階で銀行融資の準備を始めることが必須です。
顧問先がM&Aを検討しているなら、「まず銀行と話をしておきましょう」と早めに動くよう促しましょう。
M&Aの融資では、買主の信用力だけでなく、対象会社の業績や資産状況も審査のポイントになります。
場合によっては、銀行から「代表者の個人保証が必要」「追加の担保を設定してほしい」と言われることも。
こうした追加条件が出ると、買主が躊躇してしまい、M&Aの決断が遅れる原因になります。
そのため、事前に銀行に「追加の担保や保証が必要になる可能性はあるか?」と確認しておくことが重要です。
M&A資金を銀行から調達する際、銀行の担当者の経験不足や対応の遅れが大きな問題になることをお伝えしました。
しかし、税理士先生が顧問先に適切なアドバイスをすることで、これらのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
①経験豊富な銀行担当者を選ぶ
② 銀行の審査期間を見越して早めに動く
③ 追加担保や保証の要否を事前に確認する
この3つのポイントを押さえるだけで、顧問先のM&Aがスムーズに進み、先生の評価も高まります。
「うちの顧問先がM&Aを考えているけど、銀行交渉が不安だな…」と感じた先生は、ぜひご参考にしてくださればと思います。
弊社では、会計事務所様向けに、会計事務所出身の担当者による「M&A事業立ち上げ支援」をさせて頂いております。M&A融資の際のアドバイスの他にも、実務に精通したサポートで、先生の顧問先の成功をお手伝いします。
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