赤字の会社ばかり買収するオーナーその理由を聞いてみた

クライアント様の中に、赤字の会社ばかり買収するオーナーがいます。

 

1.とあるオーナーが赤字の会社ばかり買収する理由とは?

買収というと黒字の会社に照準を絞る方が多いですが、なぜ赤字の会社を...?
今日はその秘密に迫ってみたいと思います。

 

私「赤字の会社を買うのは理由あるのでしょうか?」

オーナー「あるよ。買収価格が安いこと。これに尽きるかな」

私「なるほど。詳しく教えて下さい」

オーナー「赤字の会社は売値が安いじゃない。何かを買うなら安いに越したことはないでしょ?」

私「確かにそうですね。ただ、それは安いなりの理由があるからじゃないですか?売上が全然ないとか、原価が高くなってしまっているとか、固定費が重くのしかかっているとか...」

オーナー「それって逆に言ったら伸び代しかないでしょ?伸び代しかないからワクワクするんだ。赤字になってる原因を追求して、改善策を探って、改善が見込めそう、その瞬間がたまらないんだよね。だから逆に言うと改善の道筋が見えない会社は、いくら安くても買わないかな」

私「なるほど!!!その改善の道筋とやらは簡単に見つけられるものなのでしょうか?」

オーナー「簡単には難しいかな!!経験とコツが必要かも!!自分で分からない業種の時は、その道の経営者仲間に相談することもあるよ。改善の道はあるかなぁ?って」

 

 

会社を譲渡する、会社を譲り受ける、そんな時に参考にする買収価格相場があります。黒字で利益額の大きい会社ほど売値は高くなりますし、赤字の会社ほど売値は安くなります。

よく言われているのが、年間利益の2〜3年分です。年間の利益が1,000万円であれば2,000〜3,000万円。年間の利益がマイナスであれば0円です。

※業種によって、タイミングによって、状況によっても変動あり

 

自分の身に置き換えてみると、仮に買収資金を潤沢に持っているとした場合、赤字の会社と黒字の会社、どちらの会社を引き継ぎたいだろうか?ほとんどの方が黒字の会社を選ぶことでしょう。

黒字の会社は誰もが継承したくなるものです。皆がそう思うのでライバルは多くなりますし、競争の原理が働くため譲渡価格も高くなります。ライバルが増えるので、あなたの会社が買い手として選ばれる確率は低くなります。

事業内容、サービス内容、商品内容、働いている従業員人材、全てが気に入っているのに買えない、そんな悔しいことがあるでしょうか。実際、これまでにそんな事例を何ケースも見てきました。

であれば、このオーナーの例にあるように、赤字の会社を継承する、という買収策は非常にありだと思うわけです。

 

2.買収後の運用で赤字の会社を黒字化!

具体的事例を参考に、検討してみましょう。

①年間利益1,000万円の会社
 希望売価は4,000万円
 今以上の伸び代なし
 →投資資金の回収には4年かかる

②年間赤字1,000万円の会社
 希望売価は300万円
 3年後には黒字化の見込みあり
 当初2年間は毎年1,000万円の赤字
 →黒字化までに必要な資金は2,300万円

どちらの売り案件が魅力的に映るでしょうか?
ぱっと見の印象で①にしか興味を示さない方が多いかもしれませんが、黒字化の可能性、道筋が見えるのであれば②の方が割安である可能性もあります。

将来の見込みや予想など当てにならない、というかもしれません。ただ、将来が読めないのは①のケースも同様なのです(来年も再来年も年間1,000万円の利益が確保できる保証はどこにもない)。


 

【赤字の会社を買収する資金+黒字化までに必要な資金】と、【黒字の会社を買収する資金】を比べて投資効率が良い方を事業の選択肢として選ぶのです。

そのためにはなぜ赤字なのか、改善の余地があるのか、どれだけの期間をかければその赤字が解消できるのか、そのための資金はどれくらい必要なのか、この辺りの計算が必要となります。

赤字の会社を買収することのメリットは、ライバルとなる買い手がいないため独占的に交渉を進められる、黒字化の道筋を立てることが出来れば少ない設備投資で事業の拡大が可能になる、などがあります。そんな選択肢を御社の新しい事業戦略の一つに据えてみてはどうでしょうか。

 

 

弊社も各種専門家と提携し、黒字化支援型M&A支援業務の提供をしております。現時点で支援可能な業種は以下の通りです。

・飲食店

・美容室

・まつ毛エクステサロン

・ビジネスホテル

・温泉旅館

・保険代理店

・放課後等デイサービス(児童発達支援)事業所

その他、この業種のことなら私に任せて!!この道うん10年!!この事業のことなら誰にも負けない!!私こそが黒字化の道筋を見つける専門家だ!!そんな方いらっしゃいましたらお声掛けください。