M&A取引成約までの流れと期間を紹介します!

売主も買主も、出来るだけ早期に契約を締結したいと考えるM&A取引ですが、実際に進めて行く場合、どれくらいの期間を要するものなのでしょうか?

当記事では、M&Aの成約までの行程と必要な手続き、手続きに要する期間などの目安を具体的に紹介していきたいと思います。

1.案件化

M&A取引において、まず最初に実施するのは案件化です。事業を辞めよう、後継者に譲ろう、そう考えている売主さんを発掘する作業です。

ご本人から直接連絡が来ることはほぼないため、金融機関さんや会計事務所さんなどからご紹介頂くケースが多いです。

紹介を受けてから面談、ヒアリングをするまでに要する期間は1週間〜10日前後でしょうか。

2.資料回収

事業(会社)を譲渡したい、そう考えるオーナーに出会うことが出来たら、その後に実施するのは案件資料の回収の作業です。

決算書データだったり、定款・謄本などの法人基礎データだったり、給料明細だったり、会社の基本情報や財務情報を集める作業です。

こちらは売主さんの資料整備状況にもよりますが、3日前後〜1ヶ月など、回収に要する期間のの幅が非常に長くなっております。

3.提案書作成→買い手候補への提案

資料がある程度集まったら、次にすべきは案件概要書の作成と買い手候補様への提案です。

資料を集めるまでに時間を要することはあるのですが、資料さえ集まってしまえば提案書の作成は時間さえあれば作成可能かと思います。

資料が万全に揃ってさえいれば、資料作成から買主候補様へのご提案は1週間もあれば可能かと思います。

4.机上の情報で合意が取れた後は、トップ面談

売主様から資料を回収し、案件の概要書を作成、買主候補様に提案した後に待ち受けているのは、オーナー同士の面談になります。

売主のオーナー、買主のオーナーが直接顔を合わせ、自己紹介、事業内容の紹介、譲渡を決断するに至った経緯、引き継ぎを検討するに至った経緯などをそれぞれご説明頂く機会を設けることとなります。

日程調整次第ですが、面談自体は12時間の時間があれば可能です。ただ、それぞれオーナーの日程の都合もあるため、なんだかんだ1〜2週間の時間を要することが多いです。

5.デューデリジェンス(企業調査・通称デューデリ)の実施

トップ面談でオーナー同士の相性が合うことが分かったその後は、合意に向けて前向きな交渉へと進んでまいります。

その一つの手続きとして、デューデリジェンスという手続きを実施してまいります。買主様が専門家(弁護士や会計士、税理士の先生など)に依頼し、売主企業様に法的な問題がないか、簿外債務がないか、などを精査する段になります。

こちらは、専門家からの資料回収依頼、資料の提出、現場でのヒアリング、などを含めて2週間〜3週間ほど要することになります。

6.条件の最終調整〜契約

デューデリ実施後、特段大きな問題がなければ最終調整、契約へと進んでいきます。

具体的な作業としては、デューデリの内容を踏まえての最終契約書の作成、契約書のリーガルチェックなどでしょうか。契約書叩き台の作成、売主・買主による契約書チェック、調印の日程調整などを実施していく流れとなります。

契約書作成、リーガルチェック、契約日の調整などを加味すると、大体2週間〜3週間前後要することになります。

7.まとめ

ここまでに、

  1. 案件化(1週間〜10日前後)
  2. 資料回収(3日前後〜1ヶ月)
  3. 案件提案書の作成・買い手候補への提案(1週間)
  4. トップ面談(1〜2週間)
  5. 条件の最終調整・契約(2週間〜3週間前後)

というふうに、M&Aの一連の流れを見てきました。

これらの手続きをもって、一通りのM&A手続きが完了となります。全体の期間としては1.5ヶ月〜3.5ヶ月くらいといったところでしょうか。

ただ、各手続きがスムーズに進むこと前提での期間となりますため、紆余曲折ある現実を踏まえますと、上記にプラスして12ヶ月要するイメージ、すなわち3ヶ月〜6ヶ月要するものと考えて頂くと良いかと思います。

すぐに引き継げるもの、そう考える買主さんが多いですが、実際は半年近くかかるケースが多くなっております。上記を踏まえて事業計画を組むことをお勧めしたいところです。

 

この他にもLifeHackブログではM&Aについて紹介しています。合わせてお読み下さい!

M&Aとは?これからM&Aに関わりたいすべての人に向けその基本を紹介



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