M&A支援機関登録制度がスタート 安心してM&Aを実施するために要チェック!

2021年8月24日、「中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築する」ことを目的とした新たな制度が創設されました。

M&Aが隆盛を極める中、悪質な業者の数も増えてきているのが現状で、質の保たれた安心したM&A取引を維持するための制度と言えるでしょう。

当記事では、制度創設によって安全なM&A環境がどのように整っていくのか、専門家は支援機関として登録した方が良いのか、などを見ていこうと思います。

 

1.「M&A支援機関登録制度」登録の流れ

「M&A支援機関登録制度」と呼ばれるこの制度、管轄は経済産業省で、同日(2021年8月24日)より申請受付が開始された様です。

申請ページ
https://ma-shienkikan.go.jp

公募要領(2021年度)
https://ma-shienkikan.go.jp/storage/登録制度公募要領_20210824.pdf

公募申請期間は2021年8月24日〜2021年9月21日となっており、上記申請ページ内に開設された申請フォームから専門家の登録申請が可能となっています。登録手続きの流れは以下の通りです。

(※2024年5月追記)
この制度は、2022年度以降も継続されており、2023年9月公開の資料によれば、2024年度も登録の公募が行われる予定です。
https://ma-shienkikan.go.jp/documents/登録制度概要資料.pdf

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法人の場合と個人事業主の場合で申請フォームが分かれており、内容的にはほぼ同様のものとなっておりました(提出書類が若干違う程度)。申請書への記載内容については当たり障りのない基本情報や、M&A支援業務への取組状況の記載、中小M&Aガイドラインの遵守宣誓などが求められております。

 

2.「中小M&Aガイドラインの遵守宣誓」宣誓の内容はそれほど難しくない

中小M&Aガイドラインの遵守宣誓において、宣誓する事項としては、

・実態に合致した契約締結に努めます
・契約締結前に重要なことを説明する様にします
・最終契約前には漏れがないか再度確認をします
・契約後はしっかり譲渡代金が入金されたか、なども確認します
・必要に応じて士業の先生などのセカンドオピニオンを求めることも認めます
・仲介するときは、ちゃんと「仲介しますよ」と伝えます

超絶噛み砕いた言葉で説明すると、上記などなどです。道徳的に考えれば、どれも当たり前に実施すべき事項かと思います。上記を徹底することで、何も知らない当事者(買い手さんや売り手さん)たちが騙される、専門家に言いくるめられる、強行突破される、ケースは減るのではないでしょうか。

 

3.登録のために必要な書類

添付する書類としては、

法人の場合

・事業概要書(様式自由・「中小M&A支援実施体制図」を添付する必要あり)
・料金表(様式自由)
・履歴事項全部証明書

個人事業主の場合

・事業概要書(様式自由・「中小M&A支援実施体制図」を添付する必要あり)
・料金表(様式自由)
・住民票

以上となります。見た感じ、作ろうと思えば誰でも準備できる書類でした(悪質業者でも準備しようと思えば可能な感じ)。

 

4.専門家なら申請しない手はない制度でした!

記載事項、添付書類、共に準備しようと思えば誰でも準備できるもの、そんな印象は受けました。しかし、なんだかんだ全ての書類の準備、記入の時間などを加味すると1時間はかかりそうです(手元に謄本や住民票がなければ取得に行く手間もあります)。一定レベル以上の抑止力にはつながりそうだな、と思いました。

逆に専門家側の視点で考えると、たった1時間で国のお墨付きをもらえるのであれば申請しない手はないのかな、とも思いました。アドバイザーにM&A業務を依頼しよう、そう思った際に国のお墨付きの有無を確認できるとしたら、お墨付きのある事業者に頼みますよね。

先日の記事でも紹介した、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)を活用しようとする場合、M&A支援機関に支払う費用しか補助対象にならないみたいです。目に見えるはっきりとした実務メリットは、今のところそれくらいでしょうか。ただ、今後おそらく様々な部分で支援機関のみに認められるかくかくしかじかが増えるのではないかと予想しています。

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何はともあれ、M&Aの魅力、良さが普及し、安心安全な取引が定着していくと良いなぁ、と思う次第です。いずれにしても、専門家サイドのみが知っていても効果はないと思っています。

当事者である中小企業が、売り手オーナーが、買い手オーナーが、こういう制度があったよなという認識を持ち、自らの身は自分で守る、おかしいなと思ったら当該制度を盾に確認する、そんな姿勢が必要だと思います。「こんな制度がある!!」と言うことだけでも覚えておいて頂けると幸いです。

そして、真のアドバイザーはその支援を、情報提供を、実施すべきではないでしょうか。必要書類を準備して、当社も機関登録してみようと思います。

 

この他にもLifeHackブログではM&Aに関する資格についての情報もまとめております。合わせてお読み下さい!
M&A業務に役立つ資格のご紹介


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